CATEGORY
AROMA SOMMELIER

マグノリアとは、モクレン科モクレン属に属する植物の総称です。私たちがよく目にする、ピンク色の花を咲かせる「シモクレン」や白花の「ハクモクレン」、日本原産のコブシなどが代表的で、いずれも香りのよい花を咲かせる花木として親しまれています。
桜に先駆けて花を咲かせ、ふわっと甘い香りを漂わせるモクレンは、香りを楽しめる庭木として古くから愛され、品種改良も盛んに行われてきました。現在では、アジア、アメリカ、ヨーロッパなど、世界各地に広く分布しています。
精油に使用されているマグノリアの代表的な産地のひとつが、中国・横州市です。横州市は、豊かな自然と美しい田園風景が広がる土地で、マグノリアのほか、ジャスミンやキンモクセイの産地としても知られています。
精油に使用されるマグノリアは日光を好む一方で、生育温度の管理が難しく、高温や寒さに弱い繊細な品種です。そのため、つぼみを付けるまでには、十分なケアが必要とされます。
さらに、原料となる花はすべて丁寧に手摘みで収穫されています。こうして集められた花から採取できるエッセンシャルオイルの量はごくわずかで、約500kgの花からわずか1kg程度しか抽出できない、非常に貴重なオイルです。

科名:モクレン科
学名:Magnolia grandiflora
抽出部位:花
抽出方法:水蒸気蒸留法
主要産地:中国
主な芳香成分:リナロール、2-メチル酪酸メチル、βカリオフィレン、βエレメン など
香りのタイプ:フローラル
香りの揮発性:ミドルノート
香りの印象:強
マグノリアの香りは、華やかなフローラル感に、グリーンやフルーティーなみずみずしさが重なった、印象的な香りです。フローラル調の中には、洋梨やリキュールを思わせる、やわらかく落ち着いた甘さとフルーティーさが感じられます。
さらに、透明感のある香り立ちの奥から、ほんのりとスパイシーでエキゾチックなニュアンスが立ち上がり、香りに奥行きを与えます。やさしく包み込むようでありながら、どこか凛とした大人っぽさを感じさせる、洗練された香りです。
心をほどき、穏やかに整える
マグノリアの芳香成分に含まれるリナロールは、神経の高ぶりを鎮め、心身の緊張をやわらげる鎮静作用を持つ成分として知られています。不安や緊張、イライラを抑え、心を落ち着かせることで、リラックス感をもたらしてくれるといわれています。また、緊張やストレスを感じやすいときに、心の張りつめをやさしくほどき、気分のバランスを整えるサポートが期待されるのも特長です。感情の揺らぎを穏やかに保ちながら、心身を落ち着いた状態へと導いてくれる香りとして親しまれています。

空間に「上質」「優雅」「優しさ」をもたらすマグノリアの香りは、華やかな祝いの場からリラックスタイムまで、幅広いシーンで活用できます。
華やかな祝いの場を演出
マグノリアは、生命力にあふれ、希望や純粋さ、そして持続性を象徴する花として知られています。そのため、華やかさと特別感が求められる祝いの場にふさわしく、大切な時間を印象的に演出したいシーンにおすすめです。
なかでもブライダルシーンでは、マグノリアが持つ真っ白な花のイメージが、清らかさや新たな始まりを象徴し、晴れの日の雰囲気と美しく調和します。上品な華やかさの中に、すっきりとした透明感を併せ持っているため、空気が澄みわたる朝から日中にかけての時間帯にもよくなじみます。明るく前向きな気持ちを引き立てながら、特別な1日をやさしく彩ってくれる香りです。
心をほどく、やすらぎの時間に
気持ちを落ち着かせる機能性を持つ香りのため、日々の忙しさや心の張りつめが重なり、ストレスを溜め込んでしまったときにも効果が期待できます。心が張りつめた状態をやさしくゆるめ、穏やかな気持ちへと導いてくれるのが特長です。
リラックスタイムや、気分が沈みがちなときには、お部屋に香りを漂わせ、ゆったりと深呼吸しながらゆっくりと過ごすのもおすすめです。落ち着いた香りが空間をやさしく包み込み、心身の疲れを癒しながら、自分と向き合う静かな時間を演出してくれます。
春におすすめ
季節の移ろいにそっと寄り添いながら、心と気分を新たに整える手助けとなってくれるマグノリアの香りは、開花時期と同じく、春におすすめの香りです。やわらかな甘さと、みずみずしいグリーン感を併せ持つ香りは、植物が芽吹き、空気が軽やかに華やぐ春の季節によくなじみます。
春は、新しい環境や生活の変化が重なり、知らず知らずのうちに心身が緊張しやすい時期でもあります。そんなときに取り入れることで、緊張による疲れやストレスをやさしく和らげ、気持ちをほどきながら、穏やかな状態へと整えてくれます。
シトラス系:レモン、グレープフルーツ
フラワー系:ネロリ、イランイラン
ハーブ系:クラリセージ、ラベンダー
ウッド系:サンダルウッド
やわらかな甘さとグリーン感を併せ持つ、バランスのよい香りが特長です。ブレンドの際には、主役にも引き立て役にもなりやすく、組み合わせ次第で香りの印象を変えることができます。
フルーティーなニュアンスを持つため、特にシトラス系との相性がよく、レモンやグレープフルーツなどの柑橘と合わせることで、やさしく軽やかな香りに仕上がります。日常使いしやすい、すっきりとした印象のブレンドを楽しみたいときにおすすめです。
また、マグノリアのグリーンな印象を活かしたい場合は、ラベンダーやクラリセージなどのハーバル系とのブレンドも適しています。リラックス感が高まり、心を落ち着かせる香りに仕上がります。
さらに、イランイランやジャスミン、サンダルウッドなどと合わせると、奥行きのあるオリエンタルな香りを楽しむことができます。ブレンドの際は香りの主張がやや強くなるため、少量から試しながら調整するとよいでしょう。
RECOMMEND