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「イランイラン」という名前には、「花の中の花(Flower of Flowers)」という意味が込められています。この神秘的な名称は、インドネシア語の「ilang-ilang(揺れる・漂う)」に由来するとも言われ、熱帯アジアの島々で古くから愛されてきた花にふさわしい称号です。鮮やかな黄色の花を枝いっぱいに咲かせるイランイランの木は、夜になると香りを強め、南国の空気を甘美に包み込みます。
恋愛成就を願って髪に飾ったり、新婚初夜のベッドに花びらを撒いたりと、官能性と祝福の象徴として扱われてきました。19世紀末には、その濃厚で甘美な香りがフランスの調香師たちにより注目され、パリの香水文化に革命をもたらします。歴史的香水にも使われ、香水界の花形として不動の地位を築きました。
女性的な香りともいわれますが、実は男性からの人気が高い香りでもあります。エキゾチックで魅惑的な香りが、性別を問わず人々を魅了しているのかもしれません。

基本情報

科名:バンレイシ科
学名:Cananga odorata
抽出部位:花
抽出方法:水蒸気蒸留法
主要原産地: マダガスカル、コモロ、インドネシア
主な芳香成分:リナロール、β-カリオフィレン、安息香酸ベンジルなど
香りのタイプ:フローラル
香りの揮発性:ミドルノート
香りの印象:強



イランイランの香りの特徴

イランイラン自体は黄色の花ですが、その香りは、まるでピンクや赤のベルベットのように濃厚で甘美なフローラルノートを持ち、香り立つたびに五感を魅了します。そして何よりも印象的なのが、まるで南国の高級リゾートを訪れたかのような、異国情緒あふれる魅惑的な香り。
バニラを思わせるような甘さに、ほんのりスパイシーでエキゾチックなトーンが重なり、ひとたび香れば、空間が一変するほどの存在感を放ちます。日常の枠を越え、心を遠くへ誘うラグジュアリーなひとときを演出します。
まろやかでとろけるような甘さの中に、どこか野生の生命力を感じさせ、時に挑発的で、時に深い安らぎをもたらしてくれます。そんな多面性が、イランイランの大きな魅力です。



イランイランの持つ機能

愛と緊張のバランスを整える香り
イランイランの香りは、心身の緊張をやわらげながら、感性をそっと目覚めさせてくれます。リナロールや酢酸ベンジルといった鎮静系の芳香成分が神経の高ぶりを穏やかに抑え、深いリラックスへと導きます。不安やイライラが募るときに香るだけで、心が静かに落ち着いていくのを感じられるでしょう。
さらに、イランイランにはホルモンバランスを整える作用もあり、自律神経や女性特有のリズムの乱れ、更年期による情緒の揺らぎなどを穏やかに受け止めてくれます。血圧の安定や皮脂バランスの調整にも一役買い、心と身体の「ちょうどよい」を取り戻すためにやさしく寄り添ってくれます。
さらに、催淫作用があることでも知られ、インドネシアでは新婚初夜にイランイランの花びらをベッドに撒く習慣があると伝えられています。



イランイランを使うシーンや季節

濃密な香りが非日常をもたらし、空間を華やかに演出。心を癒し、深くリラックスするひとときに。

エキゾチックで贅沢な空間演出に
非日常感や幸福感を感じる香りのため、ウエディングなどの華やかな空間演出によく使用されます。いつもとは違った、華やぎのあるラグジュアリーな雰囲気を作り上げたいときに使いたい香りです。
ご自宅のリビングやバスルームで香りを広げれば、まるでリゾートスパのような非日常感を演出できます。深くリラックスしたい夜や、感性を豊かに開放したい芸術的な時間の演出にもおすすめです。インテリアにこだわった空間との相性も抜群で、濃厚な香りが上質な印象をもたらします。

ロマンティックな夜やセルフケアに
1日の終わり、心と体をふんわりと解きほぐしたい時には、イランイランの香りが味方してくれます。寝室などで過ごすリラックスタイムにおすすめです。女性に嬉しいホルモンバランス調整などの機能も期待できるため、ゆっくり眠れるように心身を落ちつかせてくれます。バスソルトやピローミストとして使えば、とろけるような甘い香りが心身を優しく包み込み、深い休息へと導きます。
官能的なムードを自然に高めてくれることから、恋人との時間にも最適。ロマンティックな夜の演出に、そっと彩りを添えてくれます。

四季折々の楽しみ方
特に春の季節には、新芽が芽吹き、花々が咲く華やかな雰囲気と調和しやすく、カモミールやラベンダーとブレンドすると、より優しく爽やかな香りが楽しめます。気分をリフレッシュしながらも華やかさを演出したい春の日にぴったりです。
また、イランイランの濃厚で甘い香りは、寒さや湿気で気分が沈みがちな時期にぴったり。秋から冬、または梅雨の時期に取り入れることで、空間にぬくもりと安心感をもたらし、閉塞感や孤独感をそっと癒します。外の世界が灰色に染まる日でも、室内には陽だまりのような温かさを届けてくれるようです。



相性のいいオイル

シトラス系:オレンジ、グレープフルーツ
フラワー系:ジャスミン、ローズ
ハーブ系:ローズマリー、ラベンダー
ウッド系:サイプレス、サンダルウッド

イランイランは主張が強い香りですが、ほかの香りとブレンドすると使いやすくなり、香りのアクセントになります。濃度が高いので使用量に注意しましょう。
特にオレンジやグレープフルーツなど柑橘系との相性がよく、イランイランらしさは残しながら、強さを和らげ、なじみやすくしてくれます。甘さの中に透明感が生まれ、重さを感じさせないブレンドになります。ウッディー系やハーバル系を加えると、香りに奥行きと落ち着きが増し、デイリーに使いやすい仕上がりに。
また、サンダルウッドなど、同じく温かい地方で育つ植物と相性が良く、よりオリエンタル、エキゾチックな印象を際立たせます。さらに、ローズやジャスミンなど他のフローラル系と組み合わせると、より官能的で濃密なブレンドになりますが、香りが飽和しないよう、他の香りとのバランス調整が大切です。



「イランイラン」をブレンドした香り

D11 ルーセントパープル

シャープで軽やかな清涼感が心地よく広がる、洗練されたブレンド。
スペアミントやスパイクラベンダーの透明感あるハーバルノートに、イランイランの甘美な余韻が加わることで、凛とした強さの中にもやわらかさが感じられます。朝のリフレッシュや、気分を切り替えたいときにおすすめの香りです。
原料:イランイラン, スパイクラベンダー, ライム, スペアミント, ユーカリ, etc.


S11 リズム

華やかさとバランス感覚が融合した、やさしく整える香り。
イランイランの濃厚な甘さに、ゼラニウムやクラリセージの上品で落ち着いた印象が寄り添い、気持ちの揺らぎに寄り添ってくれます。心身のリズムを整えたい日や、ホルモンバランスが気になるときにぴったりのブレンド。
原料:イランイラン, ゼラニウム, クラリセージ, グレープフルーツ, ベルガモット, etc.


JD04 艶

大人の女性を思わせる、落ち着きと華やかさが共存する香り。
ネロリとイランイランの華やかなフローラルに、パルマローザの繊細さとヒノキの深い静けさが加わり、凛とした佇まいに秘めた情熱が静かに香り立ちます。空間に気品と余韻を残したい時に。
原料:ネロリ, イランイラン, パルマローザ, ヒノキ, グレープフルーツ, etc.