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ポプリというと、花びらやハーブを乾燥させて器やサシェに入れたものを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
今回ご紹介するのは、天然塩を使ってつくる「モイストポプリ」です。塩に植物の香りをゆっくりと移しながら熟成させることで、花や果実、ハーブが持つ自然な香りを楽しめます。見た目にも華やかで、季節の植物を暮らしに取り入れるインテリアとしてもおすすめです。

モイストポプリとは

ポプリという言葉は、フランス語で「ごった煮」を意味する「pot-pourri」に由来するといわれています。花びらやハーブ、スパイス、果物の皮などの芳香素材を壺や容器に入れ、香りを楽しむためのアイテムとして親しまれてきました。その歴史は古く、中世ヨーロッパでは室内香として使われていたことが伝えられています。
ポプリには、完全に乾燥した素材を使ってつくる英国風の「ドライポプリ」と、生乾きの素材を塩とともに熟成させてつくるフランス風の「モイストポプリ」があります。
一般的にはドライポプリを目にする機会が多いかもしれませんが、モイストポプリは精油の抽出技術や保存技術が発達していなかった時代に生まれた、香りを楽しむための暮らしの知恵ともいえるものです。植物の香りを塩に移して保存することで、ドライポプリには向かない素材や、精油として抽出しにくい植物の香りも長く楽しむことができます。
また、素材の色や形を活かして自由にアレンジできるのも魅力のひとつ。植物の個性を活かしながら、自分だけのオリジナルポプリをつくることができます。
それでは、さっそくモイストポプリのつくり方をご紹介します。



モイストポプリのつくりかた

<用意するもの>
・天然塩(粗塩)
・ガラス容器
・花やハーブ、果実の皮、スパイスなどの天然素材
・エッセンシャルオイル


作成手順

STEP 1 素材を準備する
使用する花やハーブ、果実の皮などを新聞紙などの上に広げ、1〜1.5時間ほど乾燥させます。水分の多い素材は半日程度を目安にしましょう。
このとき、茎などの余分な部分はできるだけ取り除いておくのがおすすめです。素材は完全に乾燥させるのではなく、少し水分が残る状態が理想です。

STEP 2 塩に香りを加える
天然塩に、お好みのエッセンシャルオイルを加えてよく混ぜ合わせます。
容器の大きさにもよりますが、天然塩100gに対して10〜15滴ほどが目安です。使用する植物素材との相性を考えながら香りを選ぶと、より一体感のある仕上がりになります。

STEP 3 素材を重ねる
ガラス容器に、天然塩と植物素材を交互に重ねていきます。
スプーンやヘラを使いながら層をできるだけ平らに整えると、美しい仕上がりになります。容器の側面から素材の重なりが見えるよう、一層ずつ丁寧に重ねていきましょう。
思うように層が見えない場合は、ハーブやスパイスを少し厚めに敷き詰めるのがポイントです。素材ごとの色や質感の違いが際立ち、見た目にも美しいモイストポプリになります。

STEP 4 熟成させる
容器の蓋を閉め、冷暗所で約1か月熟成させれば完成です。
モイストポプリの魅力は、香りだけでなく植物の表情も楽しめること。素材の色や形に注目しながら、自分らしい組み合わせを考える時間もまた楽しみのひとつです。
ピンクソルトなど色付きの天然塩を使ったり、ドライ素材を組み合わせたりするアレンジもおすすめです。ローズヒップやシナモンスティック、スターアニスなど形が印象的な素材を上層に飾ると、美しくまとまります。



モイストポプリの楽しみ方

見た目にも華やかなモイストポプリは、インテリアとして飾るだけでも楽しめますが、時間とともに変化していく香りも大きな魅力です。
熟成が進んだら蓋を開けて香りを感じてみましょう。使用する素材にもよりますが、植物そのものが持つ豊かな香りをしっかりと感じることができます。自然素材の持つ香りの奥深さに、新たな発見があるかもしれません。
香りが穏やかになってきたら、お好みのエッセンシャルオイルを加えて、香りを重ねてみるのもおすすめです。季節や気分に合わせてアレンジしながら、自分だけの香りへと育てていく楽しみがあります。
また、香りを楽しんだ後は、塩と素材を混ぜ合わせてバスソルトとして活用する方法も。使用する際は、不織布の袋やティーバッグなどに入れて湯船に浮かべると、植物の香りをゆったりと楽しめます。



アロマ空間デザイナーのおすすめレシピ

使用する素材と、それに関連するエッセンシャルオイルを組み合わせることで、香りの世界を視覚と嗅覚の両方から味わうことができます。
今回は、アロマ空間デザイナーおすすめの組み合わせをご紹介します。季節や気分、過ごしたい時間に合わせて自由にアレンジしてみてください。

華やかな花々を楽しむ
春のモイストポプリ


素材:桜、ジャスミン、ゼラニウム
おすすめの香り:JD06 淡

春を代表する桜を主役にしたモイストポプリ。 桜は香りが穏やかなため、ジャスミンやゼラニウムを少量合わせると、春らしいやさしいフローラル感が引き立ちます。 よもぎや山椒の若葉などを入れて、和の趣を感じる落ち着いた雰囲気も楽しめます。

風薫るハーブの庭
夏のモイストポプリ


素材:ローズマリー、ラベンダー、レモン
おすすめの香り:S03 スタディー&ワーク

爽やかなハーブガーデンを吹き抜ける風のような、清々しいハーバルな香りを楽しめるモイストポプリ。 レモンバームやミントなど、様々なハーブを混ぜ合わせることで、香りに立体感が生まれます。

金木犀の香りを閉じ込めた
秋のモイストポプリ


素材:金木犀、柚子、月桂樹
おすすめの香り:GB04 桂林キンモクセイ

短い期間だけ楽しめる金木犀をたっぷり使い、秋の香りを瓶の中に閉じ込めましょう。 柚子や月桂樹を合わせることで、金木犀の甘く華やかな香りがより引き立ちます。 柚子の代わりにレモンを使ってフルーティーな印象にしたり、カルダモンなどのスパイスを加えて温かみのある秋らしい香りに仕上げるのもおすすめです。

柑橘とスパイスのぬくもり
冬のモイストポプリ


素材:オレンジ、スターアニス、モミ
おすすめの香り:C06 ウォームフィール

森を思わせるモミの香りに、オレンジのやさしい甘さとスターアニスのスパイシーなぬくもりが重なった、冬の季節におすすめのモイストポプリ。 ローズヒップを添えると、冬らしい彩りも楽しめます。



季節の植物とともに楽しむ

旬の植物を取り入れながら、季節の移ろいを楽しめるモイストポプリ。
春には桜、秋には金木犀など、その時期ならではの植物を使えば、短い開花期間しか楽しめない香りを暮らしの中に留めておくことができます。
また、植物に触れながら香りを感じる時間は、自然とのつながりを改めて感じるきっかけにもなります。お子さまと一緒に素材を集めたり、香りの違いを楽しんだりする時間は、植物や香りへの興味を育む「香育」の機会にもなるでしょう。
身近な自然素材で気軽に楽しめるモイストポプリ。季節の花やハーブ、果実を取り入れながら、ぜひ自分だけの香りづくりを楽しんでみてください。