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カルダモンは、「スパイスの女王」の名にふさわしく、古代から今に至るまで多くの文化の中で愛されてきました。
その起源はインドやスリランカの熱帯雨林。スパイスの交易が盛んだった古代、中東の商人たちがこの香りを携え、シルクロードを経てヨーロッパへと運びました。古代エジプトでは、カルダモンは薫香や神聖な儀式の香りとして使われ、さらには歯磨き粉や香水にも取り入れられていたという記録もあります。ローマ時代には、香料として上流階級に好まれ、アーユルヴェーダ医学では、消化を助け、心身を整える神聖なスパイスとして用いられてきました。
時代を越えて現代では、アロマセラピー・香料・料理の各分野で活躍し、心身を整える香りとして高く評価されています。


基本情報

科名:ショウガ科
学名:Elettaria cardamomum
抽出部位:種子
抽出方法:水蒸気蒸留法
主要産地:グアテマラ、インド、スリランカ
主な芳香成分:α-テルピネオールアセテート、1,8-シネオール、酢酸リナリル、リナロール、リモネン
香りのタイプ:スパイス
香りの揮発性:トップ~ミドルノート
香りの印象:中~強

カルダモンの香りは、爽快な甘さと温もりが絶妙なバランスを持つ香りです。
香りの立ち上がりは、清々しいトップノートが鼻を刺激し、時間とともにスパイシーでほのかに甘い印象が広がります。スパイシーさとハーバルさを併せ持つ香りですが、心をほっと包み込むような柔らかく洗練された甘さがあります。全体として上品な印象で、幅広い層に好まれる傾向があります。



香りのもつ機能

カルダモンの香りは、頭と心をクリアにしてくれます。考えすぎて疲れたとき、気持ちが重たい朝に、その甘く涼やかなスパイスの香りは、まるで深呼吸するように思考をクリアに整えてくれます。その理由のひとつは、主要成分である1,8-シネオールです。ユーカリやローズマリーにも含まれる成分で、脳の覚醒や集中を促すことで知られています。
また、1,8-シネオールは呼吸を深く整える成分としても知られ、風邪の初期症状や鼻詰まり、花粉の季節にも役立ちます。清涼感と温かみを併せ持つ香りは、季節の変わり目や冷えが気になる時期に心身を穏やかに整えます。
さらに、カルダモンは古来よりスパイスとして消化促進に役立てられてきた植物。アーユルヴェーダでは食後にカルダモンを噛む習慣があり、香りそのものにも胃の緊張を和らげる作用があると考えられています。



使うシーンや季節

朝、目覚めとともに、窓を開けて深呼吸をしたときに感じる清涼な空気。カルダモンはそんなシーンにぴったりの香りです。目覚めには、清らかな香りが眠気を払い前向きな気分を引き出してくれるでしょう。集中力を要する仕事や勉強の合間に、思考をシャープに保ちつつも心を疲れさせない心地よさで、優しく寄り添ってくれます。
そしてもうひとつ注目したいのが、「食」との親和性。カルダモンはインド料理、特にカレーに欠かせないスパイスのひとつであり、カルダモンを炒ると、食欲をそそる豊かな香りが広がります。この特性を活かし、レストランやダイニングスペースの空間演出にもカルダモンの香りは理想的です。料理の邪魔をしない、爽やかなスパイスの香りは、五感に彩りを添え、自然な清潔感と高級感を同時に演出してくれます。
季節としては、カルダモンは秋から冬の空間演出に適しています。冷えた空気の中に、ほんのりと香りを漂わせることで、温もりと安心感をもたらすことができます。



相性のいいオイル

シトラス系:オレンジ、ベルガモット、レモン
フローラル系:ネロリ、ラベンダー、ゼラニウム
ハーバル系:ローズマリー、ユーカリ、レモングラス

カルダモンは香りに主張があるため、ブレンドの際は量に注意が必要です。少量でも香りの個性が際立つため、香りに厚みや深みを出したいときや、トップノートに奥行きを加えたいときの「スパイス的存在」として活用すると良いでしょう。
シトラス系の香りと合わせると、爽やかさに深みを加えることができ、フローラル系の香りとは華やかさを引き立て合います。また、ハーバル系の香りとは、涼やかさが共鳴し、清涼感のあるブレンドに仕上がります。



「カルダモン」をブレンドした香り

フレッシュチャージ

レモングラスとセドラの爽やかさに、ガルバナムとヒバの落ち着いた深みを加えたバランスの良い香りです。カルダモンが全体にほんのりスパイシーなアクセントを添え、心身をすっきりと整えてくれます。
原料:セドラ, ガルバナム, レモングラス, ヒバ, カルダモン, etc.