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AROMA SOMMELIER

ベンゾインは、別名「安息香(あんそくこう)」とも呼ばれ、その名の通り、心に安らぎをもたらすような甘く温かな香りを持つ天然の樹脂です。原料となる木の幹に傷をつけると、そこからゆっくりと滲み出してくる樹脂が、ベンゾインです。
この香りは、古くから人々の暮らしや祈りに寄り添ってきました。中世ヨーロッパでは、修道院で心を鎮める香りとして大切にされ、聖なる香りとして精神を整えるために用いられていました。
東洋でもベンゾインは長い歴史を持ち、特に仏教文化と深く関わっています。線香や薫香の調合に欠かせない香料として、日本にも古くから伝わり、「沈香」や「伽羅」と並んで高貴な香りとして珍重されてきました。
その香りは、バニラを思わせるような濃厚で甘く、まろやかな印象。樹脂ならではのぬくもりと深みがあり、まるで母に包まれるような安心感をもたらしてくれます。また、静かな瞑想の時間へと誘うような、神秘的な魅力も秘めています。
現代でも、香水やアロマオイル、スキンケア製品など、さまざまな分野で活躍しています。ブレンドに深みと安心感をもたらす香りの土台として、多くの調香師に愛され続ける、香りの世界で静かに力を発揮する存在です。

科名:エゴノキ科
学名:Styrax tonkinensis
抽出部位:樹脂
抽出方法:溶剤抽出法
主要原産地:インドネシア、ラオス、タイ
主な芳香成分:安息香酸、安息香酸エステル、桂皮酸など
香りのタイプ:バルサム
香りの揮発性:ラストノート
香りの印象:中~強
ベンゾインは、焦がし砂糖やバニラを思わせるような、濃厚でまろやかな甘い香りに、ほのかにスモーキーな温かさが重なる、奥行きのある官能的な香りです。やわらかく包み込むような甘美な香調は、まるで冬の日に飲むホットミルクのように、心をそっと癒し、深いリラックスと穏やかな安らぎをもたらしてくれます。
そのやさしい甘さとぬくもりのある香りは、幅広い層に支持されており、癒しのアロマとして人気の高いエッセンシャルオイルです。ベンゾインは香りにしっかりとした存在感を持ちながらも、他のアロマともなじみやすく、香水のベースノートやアロマブレンドの土台としても重宝されています。全体に深みとぬくもりを加え、香りにやさしい余韻を与えてくれる存在です。
深い安心感で包み込む 静寂と温もりを空間に灯す香り
ベンゾインに多く含まれる安息香酸やバニリンには、心を落ち着かせる働きがあり、気分をやさしく整えてくれるといわれています。悲しみや不安、孤独を感じるときにも、そっと寄り添い、癒しとあたたかさをもたらしてくれる香りです。
また、抗炎症作用や鎮痛作用があることから、筋肉や関節の違和感、喉の不快感といった不調のケアにもおすすめ。とくに咳や気管支の不快感には、蒸気吸入やバームで取り入れるのが効果的とされています。
さらに、スキンケアとしても頼れる存在です。乾燥やひび割れ、あかぎれといったトラブル肌にやさしく寄り添い、肌の修復をサポートしてくれます。心と体、どちらにも働きかけてくれる、まさに包み込んでくれるようなアロマです。

深く落ち着いたバルサムの香りは、空間に安心と重厚感を与え、静けさと温もりを演出します。
包み込むような空間づくりに
ベンゾインは、書斎や寝室、ヨガ・瞑想のスペースなど、自分の内側と静かに向き合いたいときにぴったりの香りです。濃厚な甘さと落ち着いたウッディーさが、空間にやわらかな安心感をもたらし、時間の流れをゆるやかに感じさせてくれます。バニラ調やサンダルウッドなどの香りと合わせれば、より一層ぬくもりが引き立ち、深いリラックス感が広がります。やさしい光の間接照明と組み合わせれば、まるで古書の香りに包まれているような、穏やかで知的な空間となります。
心と体のセルフケアに
1日の終わりに、ベンゾインの香りを部屋にそっと広げてみてください。ディフューザーやアロマバスとして取り入れることで、濃密な甘さと静かな深みが、心の緊張をふっとゆるめ、体も自然とリラックスしていきます。とくに疲れが溜まっているときや、気持ちを落ち着かせたい夜におすすめです。さらに、植物由来のオイルやクリームと合わせてスキンケアに取り入れれば、乾燥しがちな季節の頼れる保湿アイテムに。甘く包み込むような香りとともに、肌をしっとりと整えながら、心にもそっとやさしく寄り添ってくれる安心感のあるアロマです。
秋から冬にぴったり
ベンゾインの甘く濃厚な香りは、空気が澄んで冷たくなる秋から冬に、心と体をそっとあたためてくれます。寒い朝や静かな夜、ほんの少しの香りを空間に漂わせるだけで、ホッとするようなぬくもりが感じられます。とくに、年末年始やホリデーシーズンなど、家でゆったり過ごすひとときにぴったり。キャンドルの灯りや温かい飲み物とともに、ベンゾインの香りが季節の記憶に寄り添います。
忙しない日常の中でも、ふっと肩の力を抜いて、心を整えたくなるような香り。冬の季節にそっと寄り添ってくれる、頼もしい存在です。
シトラス系:オレンジ、ベルガモット
フラワー系:イランイラン、ジャスミン
ウッド系:サンダルウッド
ベンゾインは、香りの持続性がとても高く、ブレンドの中ではラストノートとして長く香りを支えてくれる存在です。そのため、他の精油と組み合わせるときは、香り全体のバランスを考えて使うのがポイント。特に、柑橘系など軽やかなトップノートの精油と合わせる場合は、ベンゾインの甘く濃厚な香りが強く出すぎないよう、少量ずつ取り入れるのがおすすめです。
また、粘度が高いため、そのままではディフューザーで扱いにくいことがあります。使用の際は、植物由来のキャリアオイルやエタノールであらかじめ希釈することをおすすめします。そうすることで、香りがふんわりとやさしく広がり、ディフューザーにも負担をかけずに心地よく楽しめます。
ベンゾインは、派手ではないけれど、そっと寄り添うような穏やかな存在感が魅力。使い方に少し気を配ることで、その奥深くあたたかな香りが、より美しく空間に溶け込んでくれます。
スキンオンフレグランス カーミングベール
リラックスと幸福感をやさしくもたらしてくれる、深く穏やかな香りのベール。ウッディーな落ち着きと、上品なフローラルの華やかさが美しく調和し、心を静かに包み込みます。
ベンゾインの甘くあたたかな余韻が香り全体をやさしくまとめ、日々の緊張をふっと解きほぐしてくれます。思わず深呼吸したくなるような、癒しと安心感に満ちた香りです。
原料:フランキンセンス, フランジュパニ, ホーウッド, ベンゾイン, シダーウッド, etc.
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