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AROMA SOMMELIER

オーストラリアの人々は、ティートリーを万能の木として古くから日常生活に取り入れてきました。発祥はニュ-サウスウェールズ州の北部沿岸。湖畔などの湿地帯を好みますが、夏の乾燥した土地でもしっかりと育つ、とても生命力の強い植物です。
ティートリーは英語で tea tree と書くため、お茶の木を連想しがちですが、紅茶や日本茶に使われるお茶の原料となる茶の木(チャノキ)とは別の植物です。名前の由来には、オーストラリア先住民アボリジニがこの葉を煎じて飲んでいたという説や、18世紀の探検家キャプテン・クックが葉をお茶のように煮出して飲んだという説などが伝えられています。
ティートリーは、細く尖った針状の葉と、黄色〜紫がかった小さな花をつける低木〜灌木で、栽培種はおよそ2メートル、野生では7メートルほどにまで成長します。刈り込んでもすぐに新しい芽を出す強い再生力を持ち、植え付けから約1年で収穫できるほど成長が早いことでも知られています。
機能面にも優れた植物で、1925年にはオーストラリアの科学者A. ペンフォールド博士によって、ティートリー精油には当時の主要な抗菌剤であった石炭酸の約13倍もの抗菌力があることが発表されました。

科名:フトモモ科
学名:Melaleuca alternifolia
抽出部位: 葉
抽出方法: 水蒸気蒸留法
主要産地: オーストラリア
主な芳香成分:テルピネン-4-オール、γ-テルピネン、1,8-シネオールなど
香りのタイプ:ウッド
香りの揮発性:トップノート
香りの印象:やや強い
ティートリーの香りは、葉と葉が触れ合うだけでもしっかりと広がり、木の周辺は遠く離れていてもその香りが漂うといわれるほど。香りはすっきりとした針葉樹のような印象ですが、大地に根を張るような力強さと甘さもあわせ持ちます。主要成分の「テルピネン-4-オール」とよばれる芳香成分がこの植物の香りを特徴づけており、強い抗菌作用をもたらします。秋から冬にかけて、ちょっと爽やかさが欲しい時にティートリーを使うと、空間をすっきりとさせながら程よい爽やかさを感じることができます。大地や豊かな自然を想わせる、アーシーな香りの魅力を持っています。
心・身体・肌のすべてに働きかける、家庭の万能薬
強い抗菌作用や抗真菌作用が期待できます。主な成分であるテルピネン-4-オール、1,8-シネオールは共に優れた抗菌作用をもつことで広く知られています。オーストラリアを始め、古くから人々が家庭で傷、日焼け、風邪などの、あらゆる手当に利用できる万能薬としてティートリーを日常的に取り入れてきました。その他、花粉症や鼻水・鼻づまりの緩和、感染症の予防、免疫力のサポートにも役立つとされています。
精神面では、シャープで爽やかな香りが気分をリフレッシュさせ、さらに鎮静作用も期待できるため、心を落ち着かせて冷静さや安心感をもたらしてくれます。
刺激が比較的少ない天然の消毒薬として評価され、ラベンダーと並ぶ代表的な精油として世界中で親しまれています。

シャープで爽やかな香りに加え、優れた抗菌・抗真菌作用が期待できるティートリーは、空間をクリアーでスッキリと整えたいときに最適の香りです。
空間を整え、スイッチを入れる香り
優れた抗菌作用を活かして、身近な生活空間やオフィスのクリーン対策にも役立ちます。
フレッシュな香りは物事を前向きに捉えるサポートをしてくれるほか、頭脳明晰作用も期待されるため、集中力が必要なお勉強タイムや読書時にデスク周りで香らせるのもおすすめです。お仕事中であれば、昼休み後の「午後からもうひと頑張りしたい」というタイミングに取り入れることで、気持ちをシャキッと切り替える助けになります。また、執務室やミーティングルームなどで用いると、集中力を高めつつ、コミュニケーションが弾む、心地よい空間づくりにもつながります。
お家の常備アロマ
虫が気になる季節や、日常生活の中で清潔感を保ちたいときなど、暮らしのさまざまなシーンで役立つ香りのため、家庭に常備したり、旅先に持っていったりしたい1本です。空間に香らせることで、すっきりとした環境づくりをサポートしてくれます。
その他、エアミストを作ってお掃除に使ったり、消臭作用を活かしてシュークローゼットのある玄関やお化粧室で使用したりするのもおすすめです。安全性が高いため、ラベンダーやペパーミントなどの香りとブレンドしてハンドジェルを作り、日々の手洗い後のケアに役立てたり、お出かけの際に持ち歩いてサニタイザーとして使うこともできます。
体調管理が気になる秋冬に
香りの印象としても比較的季節を問わず取り入れやすいため、年間を通してさまざまな空間の環境改善に役立てることができますが、特におすすめなのは冬です。インフルエンザなどの感染症対策や、免疫力が少し落ちてきたかなというときに、アロマディフューザーで香りを広げることで、お部屋をクリーンな環境に整えることができます。
また、花粉症や鼻水・鼻づまりによる不快感の緩和にも役立ちます。鼻づまりで頭がぼんやりして集中できないときにティートリーの香りを取り入れると、気分がすっきりとしてリフレッシュできます。
シトラス系:ベルガモット、レモン
ハーブ系:ラベンダー、ローズマリー
ウッド系:ユーカリ、サイプレス、 パイン
爽やかさと芯のある強さを併せ持つ香りのため、同じくシャープな印象のペパーミントや、すっきりとしたラベンダーなどのハーブ系と相性よくブレンドできます。ブレンドによってアーシーな世界観を生み出したり、和風の雰囲気を演出したりと、様々な表現ができます。全般的にウッド系の香りとは好相性で、パインやユーカリなどの森林系の香りとブレンドすると、すっきりと整う印象の香りデザインになります。ローズマリーやレモンなどとブレンドし、オフィス空間で香らせると、集中力を高めながらコミュニケーションが弾むような環境づくりにも役立ちます。
また、ティートリーはブレンド全体に骨格を与えてくれる香りでもあります。ブレンドが軽くなりすぎたときに数滴加えると、香りをぐっと引き締めてくれます。ただし、やや強めの香りであるため、使用量には注意が必要です。比較的大人っぽい印象をもつ香りでもあるため、お子さまがいる環境では、馴染みやすいシトラス系をベースにブレンドすると使いやすくなります。
B09 ラベンダーティートリー
ラベンダーに力強く爽やかなティートリーの香りを重ねた、クリアーで落ち着きあるブレンドです。ラベンダーの甘さよりもハーバル感が引き立っている香りのため、硬さのある印象も感じる香りです。ユーカリもブレンドしていることで、透明感やみずみずしさも感じられます。
原料:ラベンダー, ティートリー, ユーカリ
C10 クリアーティートリー
ティートリーやユーカリが清潔感のある印象を作りつつも、カモミールやクローブなどの温かさや柔らかさを持った印象の香りも一緒にブレンドしているため、リラックス空間にも馴染みやすい、優しく穏やかな香りです。
原料:ティートリー, ユーカリ, カモミール, クローブ, ラバンディン, etc.
S03 スタディー&ワーク
力強くみずみずしいローズマリーとティートリーをブレンドした香りは、背筋が伸びるようなシャキッとした気持ちにさせてくれます。お仕事中や集中して作業に取り組みたいときなどにぴったりの、やる気スイッチを押してくれる香りです。
原料:ローズマリー, ティートリー, レモン, ブルーサイプレス, スパイクラベンダー, etc.
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