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クロモジ(黒文字)は、日本原産のクスノキ科に属する落葉低木で、岩手県以南の本州・四国・九州に自生しています。樹高はおよそ5メートルに達し、緑がかった樹皮に文字のように見える黒い斑点があることが、名前の由来とされています。
クロモジは、日本の暮らしの中で古くから幅広く利用されてきました。枝は楊枝の材料として重宝され、弾力性があって折れにくく、ほのかな芳香をもつことから、茶道で用いられる和菓子や高級料亭など、特別な場で現在も使われています。
また、乾燥させた根皮は生薬「釣樟(ちょうしょう)」として、急性胃腸炎や脚気、皮膚病などの治療に用いられてきました。かつては枝先を細かく割り、歯間の手入れに使うこともあり、日常生活に密着した植物でもありました。さらに、狩猟で得た獲物をクロモジの枝に刺して神前に供えるなど、信仰とも深く結びついていたとされています。
日本では古くから精油の蒸留が行われており、明治時代には複数の蒸留所が存在したといわれています。その精油は香水や化粧品、石鹸の香料としてヨーロッパへ輸出され、国内でも大正時代までは国産石鹸の香料として使用されていました。しかし、合成香料の普及とともに、生産は次第に衰退していきました。

基本情報

科名:クスノキ科
学名:Lindera umbellata Thunb.
抽出部位: 葉、枝
抽出方法: 水蒸気蒸留法
主要産地: 日本
主な芳香成分:リナロール、ゲラニオール、α-テルピネオール、酢酸ゲラニルなど
香りのタイプ:ウッド
香りの揮発性:ミドルノート~ラストノート
香りの印象:中~強



クロモジの香りの特徴

クロモジは、暮らしの身近にある良い香りの木として古くから日本人に親しまれてきました。小枝や葉を折るとよい香りを放つことから「疲れを癒す木」としても知られ、旅人が山歩きの合間に、その香りで疲れを癒したともいわれています。
クロモジの香りは、まさに心身の疲れをやさしく解きほぐすような、落ち着きのある甘さが特徴の木の香りです。ウッディーな温もりの中に、フローラル調のやわらかな甘さが重なり、黒糖を思わせるまろやかな甘みを感じさせます。和精油ならではの繊細で奥ゆかしい趣を備えつつ、気品とほのかな華やかさをあわせ持つ、非常に上品な香りです。



クロモジの持つ機能

心と体の疲れを癒し、整える
クロモジには、リラックス作用が期待される成分が多く含まれており、気持ちをやさしく高めながら、こわばりをほぐすようにしてストレスから解放してくれる香りとされています。日本の暮らしに古くからなじみのある香りであるため、日本人には特に懐かしさや落ち着きを感じさせ、心に安心感をもたらしてくれます。
また、クロモジの特徴的な花のように華やかな香りの成分には、フローラル系精油に見られるようなホルモンバランスを整える働きが期待されています。そのため、PMSや更年期など、ホルモンバランスの乱れによる気分の浮き沈みをやわらかく整えるサポートとしても用いられています。
さらに、抗菌作用や免疫力を高める働きにも優れているとされており、疲れを感じたときの体調管理や、風邪予防のためのセルフケアとしてもおすすめです。



クロモジを使うシーンや季節

クロモジの香りは、和精油の中でもひときわ高級感と上品さを感じさせる香りです。まるで和服をまとった美しく落ち着いた日本女性のような風情を感じさせる香りは、和室にしっくりとなじむのはもちろん、落ち着きや品格が求められるビジネスシーンでも活用することができます。

対話が自然と深まる空間
穏やかでやさしい香りが、無意識に抱いている警戒心をそっとほぐし、心が開かれるような安心感をもたらします。さらに、知的さや上品さもあわせ持ち、凛とした佇まいを想像させる香りであるため、自然と背筋が伸びるような気持ちにもさせてくれます。
会議や打ち合わせなどの場にクロモジの香りを取り入れることで、仕事への集中力を保ちながらも、ほどよくリラックスでき、話し合いが円滑に進みやすい空間を演出することができます。
心を開く香りとしてはスイートオレンジもよく知られていますが、こちらは明るくはつらつとした印象が強いため、ビジネスシーンよりも、プライベートでの楽しい集まりに向いています。

1日を通して、心を穏やかに整える香り
クロモジの香りは、ラベンダーにも多く含まれ、リラックス作用が期待される成分「リナロール」を主成分としています。そのため、気持ちが落ち着かないときや、不安や緊張を感じたときに取り入れたい香りです。樹木特有の安定感と、落ち着きのあるやさしい甘さが、不安な気持ちを穏やかに包み込み、心を落ち着かせてくれます。
また、クロモジは1日を通して心地よく使える香りでもあります。朝に取り入れれば、穏やかな気持ちで朝の始まりを迎えることができ、仕事中に少し疲れを感じたときには、張りつめた気持ちをほどよく緩めてくれます。さらに、帰宅後のリラックスタイムや、寝室での使用にもおすすめです。

冷える季節を、穏やかにあたためる
落ち着いた印象の香りのため、秋から冬にかけての気温が低い時期に取り入れることで、あたたかみをより心地よく感じられるでしょう。ウッド系でありながら、ほのかな甘さと透明感をあわせ持つクロモジの香りは、重たくなりすぎないのも特徴です。暖房の効いた室内でも空気にこもりにくく、秋冬特有の乾いた空気にやさしく溶け込みます。
また、去痰作用や鎮咳作用が期待できることから、空気の乾燥による喉の違和感や、体調の変化が気になりやすい冬の時期のケアとしても活躍する香りです。



相性のいいオイル

シトラス系:ユズ、ベルガモット
フラワー系:ゼラニウム
ハーブ系:ラベンダー
ウッド系:ヒノキ、サンダルウッド、ホーウッド

日本らしい上品で繊細な華やかさをもつ木の香りであるため、和精油同士の組み合わせは格別です。ユズやヒノキなどの清涼感のある和精油とあわせることで、甘さとさわやかさのバランスが取れた、心地よい香りを楽しむことができます。
また、お香の原料としても知られる白檀(サンダルウッド)の重厚で深みのある香りと組み合わせれば、ゆったりと落ち着いた、日本らしい上品なウッド調の香りに仕上がります。さらに、同じクスノキ科に属し、香りの系統がよく似ているホーウッドとあわせるのもおすすめです。クロモジの香りの魅力を堪能したいときには、比較的入手しやすく、価格も手ごろなホーウッドと組み合わせることで、気軽に楽しむことができます。
クロモジは希少価値が高く精油が非常に高価であるため、使用量は控えめにするのが望ましいでしょう。他の香りとの組み合わせを楽しみながら、その魅力をじっくり味わうことをおすすめします。



「クロモジ」をブレンドした香り

JD08 禅

穏やかな甘さと凛とした上品さをもつクロモジを中心に、モダンな印象のサイプレスや、温かみのあるヒノキなど、さまざまな表情をもつウッドをブレンドした香りです。そこに、頭がクリアーになるようなローズマリーの香りをアクセントとして効かせています。
原料:サイプレス, ヒノキ, クロモジ, ローズマリー, シダーウッド, etc.

City series 仙台(SENDAI)

お香を思わせるサンダルウッドと、コリアンダーのスパイシーな香りが重なり合い、クロモジの甘く温かな印象を引き立てています。さらに青森ひばをブレンドすることで、香り全体がほどよく引き締まり、あたたかさとウッドの深い安心感の両方をお楽しみいただけます。
原料:サンダルウッド, クロモジ, 青森ひば, コリアンダー, 柚子, etc.


City series 高輪(TAKANAWA)#01

穏やかで温かみのあるヒノキやクロモジに、重く湿った土を思わせるパチュリを重ねることで、深い森の中に身を置いているような気分に誘う、重厚感のある木質ブレンドです。 上富良野ラベンダーとクロモジのフローラルなニュアンスも感じられるため、穏やかな優しさもあわせ持っています。
原料:ヒノキ, ヒバ, クロモジ, 上富良野ラベンダー, パチュリ, etc.